公開日:2025年4月18日
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雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法を定める件の一部を改正する件

令和6年国土交通省告示第151号の施行について

一般財団法人 日本建築設備・昇降機センター

目次

1.はじめに

 近年報告された落雷による被害事例のうち、建物屋上の突角部への被害が大半を占めることや、屋上突角部への保護方法等が規定された日本産業規格 Z9290-3(雷保護-第3部:建築物等への物的損傷及び人命の危険)-2019(以下「JIS Z9290-3-2019」という。)が制定されたことに伴い、雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法を定める件(平成12年5月31日建設省告示第1425号。以下「避雷設備告示」という。)が令和6年3月8日改正され、令和7年4月1日から施行されました。
 本告示では、これまで避雷設備の構造方法としてJIS A 4201-1992に適合する構造の避雷設備又はJIS A 4201-2003に規定する外部雷保護システムに適合する構造を規定していたところ、これがJIS Z9290-3-2019に改められました。
避雷設備の主な規格の比較(一般建築物(LVLⅣ)の場合)

図 避雷設備の主な規格の比較(一般建築物(LVLⅣ)の場合)

2.改正告示の施行について

国土交通省住宅局建築指導課長より改正概要、JIS Z9290-3-2019の適用時期、既存遡及の取扱いについて通知されました。

3.遊戯施設の定期検査について

 施行の日(令和7年4月1日)から起算して1年を経過する日(令和8年3月31日)までに工事に着手する建築物の避雷設備については、改正前の平成12年建設省告示第1425号に規定する構造方法(JIS A 4201-1992に適合する構造の避雷設備又はJIS A 4201-2003に規定する外部雷保護システム)によることができるとする経過措置期間を設けています。
 本告示の施行後の経過措置期間終了前に着工した高さが20mを超える建築物について、JIS A 4201-1992又はJIS A 4201-2003に規定する外部雷保護システムの規定に基づき設置された避雷設備であって、JIS Z 9290-3-2019に規定する外部雷保護システムに適合する構造ではない場合、経過措置期間終了後は法第3条第2項に規定する既存不適格となります。
 また、高さが20mを超える遊戯施設は、準用工作物として上記と同様の適用があります。遊戯施設の定期検査においては、平成20年国土交通省告示第284号9項(四)で避雷設備の検査を位置付けており、これについて改正の動きがあった場合は速やかに情報提供させていただきます。

4.さいごに

 当センターでは、本改正告示等について詳しく解説した「建築設備設計・施工上運用指針2025年版」を令和7年7月に刊行する予定です。また、本内容を普及するための講習会を予定しています。詳しくは当センターホームページに掲載する予定です。