「建築物調査員・建築設備等検査員の処分基準」の制定について
一般財団法人 日本建築設備・昇降機センター

目次
1.はじめに
条文 | 対象 | 資格者 | |
建築基準法第12条 | 第1項 | 特定建築物の定期調査 |
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第2項 | 特定建築物の定期点検 | ||
第3項 | 特定建築設備等の定期検査 |
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第4項 | 特定建築設備等の定期点検 |
※ 建築設備等検査員資格者証の「等」には、昇降機等検査員、防火設備検査員が含まれています。
このように、建築物調査員、建築設備検査員、昇降機等検査員、防火設備検査員(以下「調査員等」といいます。)の資格は、資格を持つ者だけが業務を行える「業務独占資格」にあたります。
2.処分基準の制定の背景
- 法若しくはこれに基づく命令の規定に違反した場合
- 不誠実な行為を行った場合
- 偽りその他不正の手段により検査員資格者証の交付を受けた場合

今般、行政庁による処分等の判断過程をより合理的なものとするとともに、どのような行為をすればどのような不利益処分を受けるのかについて、国民があらかじめ知ることができるようにし、処分等の予測可能性を高めることにより、建築物調査員及び建築設備等検査員の行う業務に係る不正行為等に厳正に対処し、もって当該業務の公正かつ適正な実施を確保することをを目的として、建築物調査員・建築設備等検査員に関する処分基準が制定されました。詳細は、「建築物調査員・建築設備等検査員の処分基準」をご確認ください。
3.意見募集の結果
本処分基準の制定にあたって行われた意見募集(パブリックコメント)の結果は、「建築物調査員・建築設備等検査員の処分基準案に関する意見の概要と国土交通省の考え方」のとおり公示されています。
4.留意点
(1)定期調査、検査の適切な実施
- 定期調査告示(平成20年国土交通省告示第282号)
- 定期検査告示(平成20年国土交通省告示第283号~285号、および平成28年国土交通省告示第723号)
※ 法第12条第1項及び第3項に基づき定期報告の対象となる特定建築物、特定建築設備等における有資格者により実施される定期調査等に対して、定期調査告示、定期検査告示への適合性を検証する事業
(2)報告書の調査者、検査者欄への記入
- 代表となる調査者・検査者
- 実際にその調査・検査を行ったすべての調査者・検査者

図1 第三十六号の四様式 定期検査報告書(昇降機)の検査者欄
5.処分を受けた調査員等の公表等
返納処分を受けた調査員等の詳細(資格者証交付番号等)は国土交通省のホームページで公表されることとなっています。

図2 国土交通省ネガティブ情報等検索サイト
6.さいごに
定期調査等は、建築物を始め建築設備、昇降機、遊戯施設等の安全を確保するために義務付けられている重要な制度です。
この制度に対する不適切な行為は、国民の信頼を揺るがすものであり、あってはなりません。
調査員等の皆さまには、ぜひその社会的責任を十分に認識いただき、誠実に業務に取り組んでいただければ幸いです。